オランダで携帯電話(スマホ)を使う

海外に行く際に、もはやなくてはならないものとしてスマートフォンがあります。翻訳や交通情報、予約管理など、できることは様々です。しかし、日本での契約そのままで行っては使えなかったり、使えたと思ったら料金が高額になってしまったりトラブルのもと。

そこで今回は、オランダでスマホを使うための通信方法の選択肢や、滞在予定日数に応じたおすすめの利用方法などをご紹介していこうと思います。

日本のSIMカードを使う

まずは、オランダで音声通話・SMSに加えてデータ通信も可能な日本の通信業者を調べて以下の表にまとめてみました。(2023年2月調べ⇒2023年9月追記)

	音声通話/SMS	データ通信	基本データ容量内	使い放題
docomo	〇	〇	200円/1時間 980円/24時間～	～2,980円/日
au	〇	〇	690円/24時間～	～2,980円/日
softbank	〇	〇	980円/24時間～(～3GB)	～2,980円/日
楽天モバイル	〇	〇	2Gまで無料 以降500円/1GB
ahamo	〇	〇	30Gまで無料(15日間まで) 以降550円/1GB
UQモバイル	〇	〇	auに準ずる
Y!mobile	〇	〇	softbankに準ずる
LINEMO	〇	〇	softbankに準ずる
povo	〇	〇	640円/24時間(～0.5GB) ～7,080円/14日間(～5GB)

国際使用については、事前の申し込みや手続きが必要になるため、ご自身の契約会社のHPでご確認ください。データ通信はなくとも、音声通話・SMSのみであれば上記以外の通信業者でも可能です。

いずれにしても、日本国内とは異なり電話の発信・着信、SMSの送信に別途料金がかかってくるので注意してください。日本のsimカードで通話をする場合は、標準の電話アプリではなくLINEやSkype、ハングアウト、050 Plusを使えば、同じアプリ同士なら通話料はかからずデータ通信として使用できます。

楽天モバイル とahamo 、povo以外の通信業者で契約している場合、海外でのデータ通信には1日ごとに追加料金がかかります。短期間であればそれでも良し、とするのもいいですが、ちりも積もればです。海外でのデータ通信用にレンタルWifiやプリペイドsimを使うのも一つの方法です。

レンタルWiFiを使う

レンタルWiFiの強みは、1つ持っていれば複数台同時に接続することができるので、複数人で旅行して別行動の予定がない場合には料金を人数でシェアできるのでその分お安くなることかと思います

2023年2月時点での、主なレンタルWifiについて調べて以下にまとめてみました。

	最低料金	データ無制限料金	利用エリア	同時接続	空港受取	宅配受取	コンビニ等受取
グローバルWiFi	300MB 970円/日～	2,370円/日	オランダ	5台	〇550円 国内17空港 34か所	〇550円	〇550円 セブンイレブン
	300MB 1,180円/日～	2,580円/日	ヨーロッパ
イモトのWiFi	500MB 1,460円/日～	2,360円/日	オランダ	5台	〇550円 国内6空港	〇550円	〇無料本社(渋谷駅)
	500MB 1,280円/日～	2,580円/日	ヨーロッパ
ユーロデータ	300MB 789円/日～	1,440円/日	ヨーロッパ	5台	〇無料 成田・関空・中部 羽田(500円)	〇無料	×
エクスモバイル	500MB 750円/日～	950円/日	オランダ		〇 成田・羽田 関空・中部	〇650円	×
	500MB 850円/日～	1,100円/日	ヨーロッパ
【SakuraMobile海外Wifi】		980円/日	ヨーロッパ	5台	〇1,000円 国内5空港	〇1,000円	×
『jetfi』	350MB 980円/日～ （今なら580円/日！）	1,580円/日 （今なら1,080円/日！）	オランダ	8～10台	〇715円 国内9空港 22か所	〇1,375円	〇1,375円 FamilyMart LAWSON MINISTOP 郵便局
	350MB 980円～ （今なら580円/日！）	1GBまで 1,580円 （今なら980円/日！）	世界
WiFiBOX	500MB 790円/日～	1,490円/日	オランダ	5台	〇無料 国内5空港 東京駅	×	×
	500MB 690円/日～	1,590円/日	ヨーロッパ

オランダのみで使う場合と、ヨーロッパや世界の複数の国を周遊できるプランなどがあります。

純粋に利用料金だけを見るのではなく、受取・返送の手数料も各社結構違いますし、保証の有無、オプションの有無、サポート体制なども考慮しながらご自身にあったところを見つけられるといいですね。

海外用プリペイドSIMを使う

SIMフリー端末をお持ちか、SIMロック解除ができれば、海外用のSIMカードが使えます。例えば…

このように、渡航の日数や使いそうなデータ容量に合わせて選ぶことができるので、レンタルWiFiよりも幅が広がります。日本で購入しておいて、現地に着いたらSIMを入れてセッティングすればOKです。

海外のeSIMを使う

もうひとつ、海外のeSIMを使うという選択肢があります。iPhoneであればXR以降、AndroidではAQUOS, OPPO, Galaxy, Google Pixel, HUAWEIなどの最近の機種はeSIM対応です。

こちら↓のサイトで対応する国を選んで、日数・データ容量・料金で最適な通信業者やプランが検索できます。

私の場合、オランダで使えるTruphoneという通信業者のアプリをダウンロードしてあります。日本語に対応していてありがたいんです。

以下、Truphoneのオランダ・ヨーロッパの料金プラン例です。

eSIMを使いこなせれば、レンタルWiFiより、プリペイド物理SIMよりもお得です。アプリ内でデータ残量の確認も追加購入もできるので便利です。

現地のSIMカードを使う

こちらは短期の旅行者向けというよりは、中長期の滞在者向けになってくるかと思います。

現地のプリペイドSIMを使う

現地でプリペイドSIMカードを購入し、現地の電話番号と必要なデータ容量を手に入れます。

オランダの主要空港であるアムステルダムのスキポール空港でも、到着ロビーにある通信業者のカウンターで手数料を払えば購入からセッティングまでしてもらえるようです。

もちろん、自分で設定できそうならSIMカードはその辺のスーパーやドラッグストアでも簡単に購入できるので、すぐに手に入ります。空港や駅、スーパーなどいたるところでFree WiFiが飛んでいるので、セッティングに際しての通信も問題ないかと。

日本同様、オランダにもたくさんの通信業者はありますが、いろんな方のブログなどを見て回った感じ、大手KPNの回線を使ったいわゆる格安SIMの会社、LebaraやLyca Mobileなどを選択する人が多い印象です。

こちら↓はLebaraのプリペイドSIMの料金プランです。

続いてこちら↓はLyca Mobileの料金プラン

Lyca Mobileは、ヨーロッパ圏内利用のプランです。

どちらも音声通話・SMSが使えます。（オランダの電話番号が手に入ります）

こちら↓のブログで、LebaraのプリペイドSIM購入～セッティングについて詳しく説明してくださっているので、参考にしてみてください。

現地で月々の契約をする

こちらはもう、長期滞在の方向けです。

まず前提として、現地の銀行口座が必要です。そしてその銀行口座を開設するためには現地の住所が必要です。しかし賃貸契約にはだいたい現地の電話番号が必要です。そのため、まずは一旦前述のプリペイドSIMを購入して電話番号を手に入れる必要があります。

無事に銀行口座が開設できたら、改めてお好みの通信業者との契約を進めましょう。オランダではインターネット・テレビ・携帯電話のセット契約も多くあります。私たちは１年間とそこまで長期の滞在ではないためここまで至っていないため、あまり詳しくお伝え出来ず、すみません。

こちら↓のいかたこさんのブログがとっても参考になるのでご参照ください。

まとめ：滞在期間別に最適な組み合わせは…？

ここまでの記事を書くのに既に息切れ気味のまむですが、オランダに行くにあたってどの選択肢を選んでいけば快適にスマホを使えるのかを考えてみました。

あくまでも、まむの私見です。ご自身の状況と照らし合わせながら参考にしていただければ幸いです。

旅行などの短期滞在の方向け

※楽天モバイル とahamo とpovoで契約している人は、それ単独でもOK。

• ahamo は30GBまで無料で使えますが、滞在日数が15日を超えると速度制限かかるので注意してください。
• 楽天モバイル は2GBまでしか無料で使えませんが、追加購入しても1GB 500円なので、使用量を見ながら追加購入していけばいいと思います。
• povoは必要なデータ容量・日数のトッピングを選んで購入する仕組みです。
  （料金は渡航エリアにより異なります）

各社、忘れずに国際ローミングの申し込みや手続きをしましょう。

レンタルWiFi・海外用プリペイドSIM・海外eSIMのどれを選ぶかは、日数・料金・スマホの設定操作の熟練度によって変わってくるのかな、と思います。

SIMカードがうんぬんとか難しいことはちょっと…という方は、レンタルWiFiを。スマホの操作はOKで、手持ちの端末がeSIM対応しているならeSIM、非対応ならプリペイドSIMを選択されるのはいかがでしょう。

数か月～数年の中期滞在者向け

※楽天モバイル の場合は、滞在場所のWifi環境が整っているようなら単独でもいけます。外出先でもいっぱいデータ通信したい人は無理かもしれませんが。

日本に戻る予定のある中期滞在の方が、それまで持っていた日本の電話番号を手放してしまうのはもったいないと思います。銀行やSNSなど、ログイン時の本人認証にSMSを使うこともまだまだ多いですし。一時帰国の時にまたすぐ使えるのも大事なポイントです。

楽天モバイルは、維持費は1,078円/月。

前述してきたように2GBまでなら無料で海外でもデータ通信ができます。データ追加も1GB 500円。専用アプリRakuten Linkを使えば、日本の電話番号への通話料金やSMSの送信の料金もかかりません。
日本で使用する際は、3GBまでが1,078円、20GBまでが2,178円、それ以上は3,278円と使用量に応じて料金が変動します。

povoは、基本的な維持費はなんと0円！（最低180日に1回は何かしらのトッピングの購入が必要）

日本でも海外でも、必要なデータ容量のトッピングをその都度購入するという、他社とはちょっと異なるスタイルです。海外でデータ通信・通話・SMS認証が可能です。（通話発着信・SMS送信にはその都度料金が発生します）
※2023年7月～海外利用に対応開始しました。

HISモバイルは、維持費が290円/月。

日本で使用する際は、100MBまで290円の1GB 550円から、最大50GB 5,990円までのプランがあります。容量が足りなくなったら1GB 200円で100GBまで追加できます。
海外でデータ通信はできませんが、SMS認証は可能です。（通話の発着信・SMS送信にはその都度料金が発生します）

いずれの会社も、物理SIMとeSIMを選べます。というわけで、

●楽天モバイル 単独使用

●povoかHISモバイル＋LebaraのプリペイドSIMの組み合わせ
※日本の契約をeSIMにすれば、デュアルSIM端末１台でOK！
　（物理SIMを２枚入れられる端末もあります）

このどちらかがまむ的おススメです！

日本に電話をかける機会がある方は楽天モバイルを、オランダに電話をかける機会があったりオランダの電話番号が必要な方はpovoやHISモバイルの方を選んでみる、というのはいかがでしょう。

長期滞在者向け

日本の電話番号を残すか、残さないかで解約か乗り換えを決めましょう。解約した場合、一時帰国の際には日本のプリペイドSIMを使うといいですね。

日本の電話番号を維持するなら、維持費が一番安いのはHISモバイルの290円/月です。
⇒2023年7月からpovoが海外利用に対応開始になりました！最低180日に1回何かしらのトッピングを購入すれば、基本的な維持費はなんと0円です！

一時帰国の予定があるならその際に日本国内で利用するトッピングをその時購入すればいいですし、帰国の予定がないなら半年に1回だけ海外用の最低0.5GB/24時間 640円のトッピングを購入すればOKです。

通話の発着信・SMS送信にはその都度料金が発生すること、トッピングの購入が一度もなく180日以上経過すると回線契約が解約になる可能性があることには注意しておきましょう。

おまけ

最後にわが家のオランダでの通信費を赤裸々にご紹介します。

	ひーさん		まむ		自宅
使用端末	Google Pixel 6	OPPO A73	Google Pixel 5
契約	Rakuten 物理SIM	Lyca Mobile 物理SIM	Rakuten 物理SIM	Rakuten⇒povo eSIM	KPN TV+ｲﾝﾀｰﾈｯﾄ
データ量	2GB	7GB	2GB	2GB	制限なし
料金	1,078円/月	€10/30日	1,078円/月	1,078円/月　　 　　⇒0円/月	～6カ月 €30/月 7ヵ月～ €67.5/月
小計	2,628円		2,156円⇒1,078円		4,650～10,462円
合計	約9,434～15,246円⇒14,168円

自宅も職場もWiFi環境が整っているので、スマホのデータ容量はいつも余ってます。まむは、プライベート用と仕事用で楽天の回線を２つ持っているので、使おうと思えば4GBまで無料で使えます。でも、実際には2GBも使ってません。ひーさんも、Lyca Mobileの容量ほとんど使ってません。オランダの電話番号を持つためだけに持っているような感じです。
※2023年7月からpovoが海外利用可となったため、楽天回線から1回線乗り換えてます。

今は寒くてあまり外出していないのもあるかもしれません。暖かくなって、いろんなところに観光に出歩くようになったらもうちょっと使う…かもしれませんね。