日本からオランダに旅行する際に必要な準備について、まとめてみました。
オランダの概要
正式国名 | オランダ王国(Kingdom of the Netherlands) |
国土面積 | 約4.2万㎢ |
人口 | 約1750万人 |
首都 | アムステルダム(政治的中心都市はハーグ) |
公用語 | オランダ語 |
元首 | ウィレム・アレクサンダー |
首相 | マルク・ルッテ |
国土面積は、九州とほぼ同じくらい。
人口は、九州より350万人ほど多いくらい。
気候
まずはいろいろな気候を東京とアムステルダムで比較してみていきます。
オランダの方が緯度が高いので、冬の夜は長く、夏の夜が短いです。
冬至の頃が日の出は9時前、日没は16時半過ぎ、夏至の頃が日の出は5時半前、日没は22時過ぎ。日の長さは当時と夏至で倍ほども違うんですね。
気温は全体的に低めです。夏は日本のようにうだる暑さはなさそうですが、その分冷房完備ではないことも多々あります。冬は雪はそんなに降るわけではないので日本の雪国よりは寒くないですし、セントラルヒーティングが定番です。
もちろん気候は気温だけではありません。全体的な降水量は多くないものの急に雨が降ったり、曇り空がスタンダード。また、冬場は風の強い日も多くため、実際の気温よりも体感温度は低いです。冬は本当に太陽が恋しくなります。
変わりやすい天気や朝晩の気温差から、温度調節や雨よけ用の長袖の羽織物は必須です。靴やかばんも、雨に濡れて困るような素材のものは避けた方がいいと思います。
通貨
オランダの通貨は€(ユーロ)です。
2020年頃から右肩上がりの円安傾向で、2023年4月末~5月頭にはついに€1=150円を突破しました。
また、新型コロナ禍の影響で一旦ゼロになっていた燃油サーチャージ価格も復活と共に急激に上昇しており、日本からの海外旅行のハードルがどんどん高くなっております…。
–外国為替–
旅行の楽しみの一つである外食代も、高めです。飲み物ひとつとっても安くはないので、エコもかねてマイボトルが一つあるといいですね。
祝祭日
オランダの祝祭日は固定のものと、毎年日付が変わる移動祝祭日があります。
1月1日 | 元旦(Nieuwjaarsdag) |
4月27日 | 国王の日(Koningsdag) ※日曜日の場合は1日前倒し |
(5月5日) | 解放記念日(Bevrijdingsdag) ※祝日となるのは5年に1回(0と5のつく年) |
12月25日 | クリスマス(kerstdag) |
12月26日 | ボクシングデー(Tweede kerstdag) |
2023年 | 2024年 | 2025年 | ||
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4月7日 | 3月29日 | 4月18日 | 聖金曜日/Goede vrijdag | 復活祭の前の金曜日 |
4月9日 | 3月31日 | 4月20日 | 復活祭/Eerste Paasdag | 春分の日の後の最初の満月の次の日曜日 |
4月10日 | 4月1日 | 4月21日 | 復活祭の月曜日/Paasmaandag | 復活祭の翌日の月曜日 |
5月18日 | 5月9日 | 5月29日 | キリスト昇天祭/Hemelvaartsdag | 復活祭から40日目の木曜日 |
5月28日 | 5月19日 | 6月8日 | 聖霊降臨祭/Pinksterdag | 復活祭から7週目の日曜日 |
5月29日 | 5月20日 | 6月9日 | 聖霊降臨祭の翌日/Pinkstermaandag | 聖霊降臨祭翌日の月曜日 |
祝祭日に加えて日曜日と、月曜日の午前中は休業というお店も多いので旅行の日程を組む際には注意してください。
時差
日本(UTC+9)とオランダ(UTC+1)の時差は-8時間です。
また、毎年3月の最終日曜日~10月の最終日曜日までがサマータイムとなっており、その間は時差は-7時間になります。(3月の最終日曜日の深夜2時が3時に進み、10月の最終日曜日の深夜3時が2時に戻ります)
電圧・プラグタイプ
オランダの電圧は230V、周波数は50Hz、電源プラグはCタイプまたはSEタイプです。
スマホ、パソコン、カメラなど、複数の電子機器をつなげられる変換プラグが一つあると便利です。
スマホやでパソコンなどの充電器は変換プラグさえ使えば使えることが多いですが、ドライヤーやヘアアイロンのように電力を必要とする家電製品は、海外電圧対応のものでないと故障します。説明書や本体・電源プラグ付近などを確認し、対応電圧が海外対応(~240V)と書かれたものか、変圧器を持参しましょう。
荷物の準備
概要を把握したら、荷物の準備を進めていきましょう。
必需品
パスポート
パスポートがないことには何も始まりません。有効期限が出国予定日時点で3カ月以上残っている必要があります。
万が一の時のために顔写真ページのコピーを別の鞄にも入れておくと安心です。
チケット関連
航空券だけでなく、電車やバスなどの乗り物や、美術館のチケットも最近は電子化が進んでいます。通信が不安定な場合でも表示できるように、あらかじめダウンロード保存や印刷をしておきましょう。
お金関連
現金
オランダ国内では、現金はほとんど使わずに済みます。必要なのはトイレとコインロッカーで使う小銭くらいです。
クレジット/デビットカード
あとは、可能であればWISEのデビットカード、あるいは海外利用にも強いエポスカードや楽天カードがあると心強いです。
お金の準備については、以下の記事を参照してください。
海外旅行保険加入
万が一に備えて、海外旅行保険には必ず加入しましょう。
クレジットカードに付帯する海外旅行保険には、エポスカードのような持っているだけで有効になる『自動付帯』のものと、楽天カードのような旅費の支払いに使っている必要があるなどの条件のある『利用付帯』のものがあるので、お手持ちのカードについて補償内容も含めて調べてみてください。
クレジットカードの旅行保険が不適応、あるいは不十分な場合には保険会社の海外旅行保険を申し込みましょう。
常備薬
持病のお薬は、持参しましょう。他には、
- 鎮痛解熱剤
※急な発熱や頭痛・腹痛に - 下痢止め、胃腸薬
※硬水や慣れない食生活対策に - 抗アレルギー薬
※ヨーロッパでは特にイネ科の花粉症に注意 - 酔い止め
- 塗り薬(保湿・ステロイド剤)
※乾燥や環境の変化で肌荒れは悪化しがちです
この辺りがあると安心ですね。
メガネ・コンタクトレンズ
なくて困る人は、お手入れグッズも忘れずに持っていきましょう。
あった方がいいもの
ガイドブック
地図を見たり情報をぱっと調べるにはスマホがあれば十分ですが、やはりガイドブックが一冊あると便利です。
デバイス関連
旅行時の最強の味方であるスマホの、通信・充電環境は備えておきましょう。
以下の3点セット、これだけあれば電子機器の電源関連で困ることはまずないと思います。
- 変換プラグ
- モバイルバッテリー
- 充電ケーブル
特に2番目に紹介したモバイルバッテリーは、ケーブルもアダプタも一体化しているので国内外問わずに重宝しています。一人での旅行なら、これと100均で売っている簡易の変換プラグCタイプを持っているだけでも十分なくらいです。
充電ケーブルは、長めのものが1本あると便利です。オランダはバスや電車内でも充電用にUSBポートがあるのですが、壁や座席下にある場合もあれば、天井にあることもあって、短いものだとスマホがぶら下がり状態になります(笑)ホテルなどでも、電源が離れたところにしかないこともあるので持ってるといいですよ。
通信環境については、以下の記事を参照してください。各種simカードやレンタルWifiについてまとめて書いてあります。
気候対策
オランダの天気は変動が激しく、雨や風、寒暖の差が特徴的です。服装はおしゃれよりも温度調整・雨風対策を中心とした方が快適に過ごせます。
雨風対策・温度調整
- 防水/防風ジャケット
- 折り畳み傘
- 防水/撥水素材の靴・鞄
オランダ人は雨でも傘を差さない人が多く、フードだけかぶって普通に歩いています。折り畳み傘は、携帯性を重視しすぎると風に負けます。冬は寒い上に雪ではなく雨が多いので、ファブリック素材よりも撥水・防水性のある素材の上着を推奨します。
夏の対策
- 日焼け止め
- 帽子
- サングラス
冬の対策
- 防寒着
※上着は防水素材が望ましい - カイロ
宿泊関連
日本のホテルと違って寝間着や歯ブラシの用意はなく、アメニティもあまりそろっていないことの方が多いです。パジャマと歯ブラシ、そしてバスグッズ・スキンケアグッズは持参しましょう。
- パジャマ
- 歯磨きセット
- バスグッズ
- シャンプー、トリートメント、ボディソープ、メイク落とし、洗顔料
- 泡立てネット・スポンジがあるとなお良し
- スキンケアグッズ
- 髭剃り
衛生・日用品
- ハンカチ・タオル、ティッシュ
- ウェットティッシュ
- 消毒スプレー・ジェル
- ばんそうこう
- はさみ(機内持ち込み不可)
- 生理用品
- 筆記用具
セキュリティ対策
外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録しておきましょう。
デモやストライキ、銃撃事件や爆発事件、感染症情報、強風や路面凍結注意といった大事な情報が在オランダ日本大使館からメールで届きます。
オランダは、ヨーロッパの中では比較的治安のよい国とされています。ですが夜間や地域によってはあまり治安のよくないところもあります。人が集まるところにはその分犯罪発生率も高くなりますし、観光客はどうしてもターゲットになりがちです。観光地では特にスリ・置き引き・詐欺に注意してください。日本のポケットティッシュように、無料でもらえるものなんて基本的にあり得ません。お金だけでなく、スマホも狙われるようなので気を付けましょう。
現金・貴重品は持ちすぎないように肌身離さず、人前で気軽に財布やスマホを出さない、鞄は口を閉められるものを持つ、といった自己防衛を心掛けましょう。
その他
- エコバッグ
- 水筒
オランダはエコ・SDGsの先進国です。スーパーのレジ袋はもちろん有料で、会計時にいるかどうか聞かれもしません。エコバッグを持っているのが前提か、そのままリュックに入れたり自転車の収納バッグに入れて颯爽と行ってしまいます。もちろん包装も最低限。いや、日本が過剰包装なだけかもしれませんが。
ペットボトル・ビン・缶もすべではありませんが、価格の中にリサイクルを前提としたデポジット料金が含まれています。スーパーなどにあるリサイクル機械に空容器を通すと、そのデポジット分の割引券が手に入ります。(対象の容器には『€』マークが書かれています)
なので、エコバッグ・マイボトルは当たり前。オランダで、ダッチデザインのバッグやボトルを手に入れるのも面白いかもしれません。
まとめ
沢山書きましたが、人によってはまだ物足りなかったり、不必要なものもあるかと思います。旅行の目的や内容によっても変わってきますしね。ご自身の旅をイメージして、うまくアレンジしていってください。
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